洪(ホン)性弼 牧師
KirinMission.com
kirinmission@gmail.com

創世記25章27節～34節
27.この子どもたちは成長した。エサウは巧みな狩人、野の人であったが、ヤコブは穏やかな人で、天幕に住んでいた。
28.イサクはエサウを愛していた。猟の獲物を好んでいたからである。しかし、リベカはヤコブを愛していた。
29.さて、ヤコブが煮物を煮ていると、エサウが野から帰って来た。彼は疲れきっていた。
30.エサウはヤコブに言った。「どうか、その赤いのを、そこの赤い物を食べさせてくれ。疲れきっているのだ。」それで、彼の名はエドムと呼ばれた。
31.するとヤコブは、「今すぐ私に、あなたの長子の権利を売ってください」と言った。
32.エサウは、「見てくれ。私は死にそうだ。長子の権利など、私にとって何になろう」と言った。
33.ヤコブが「今すぐ、私に誓ってください」と言ったので、エサウはヤコブに誓った。こうして彼は、自分の長子の権利をヤコブに売った。
34.ヤコブがエサウにパンとレンズ豆の煮物を与えたので、エサウは食べたり飲んだりして、立ち去った。こうしてエサウは長子の権利を侮った。

今日の本文には二人が登場します。それはエサウとヤコブです。二人ともアブラハムの孫であり、神様の約束によって生まれたイサクの息子たちでした。彼らは幼い頃から神様がアブラハムに約束された祝福を聞きながら育ってきた祝福の子孫たちであり、その祝福の後継ぎとなる主人公たちでありました。しかし、ある日、事件が起きます。ヤコブは赤いレンズ豆の煮物を煮ていました。もしかしたら、いつものように母であるリベカの手伝いをしていたのかもしれません。その時、山野を駆け巡っていたエサウが疲れた様子で帰ってくる途中、ちょうどヤコブが煮物を煮ているのを見かけます。エサウは急いでヤコブにその煮物を食べさせてくれと言います。
これを聞いて、そのまま渡せばいいものを、ヤコブはエサウに向かって一つの提案をします。それは「長子の権利」を自分に売れということだったんです。このような提案を聞いたエサウはヤコブに対して、今、自分は飢えており疲れてもいる。死にそうだ。こんな私にとって長子の権利など、今の私に何になろう。ほら、そんなものはお前にやってやる、だから早くその煮物を渡せ、と言ったのです。それはどうしてかというと、エサウは「長子の権利を軽蔑した」からだと、聖書には書かれています。
長子の権利はエサウが努力して獲得したものではありません。では、どのようにして手に入れることができたのでしょうか。それは、神様が与えてくださった偉大なる祝福だったのです。しかし、自分が努力もせず、代価を支払ったのでもなかったので、それが、どれほど大事なものだったのか全く知りませんでした。その結果、どうなったのでしょうか。神様の祝福、神様がアブラハムを愛してくださり、その子孫に与えてくださると約束された祝福が、エサウからヤコブに移されたのです。そうなってしまった理由はただ一つ、神様の下さる祝福の価値をエサウは知らなかったが、ヤコブは知っていたからなのです。
サタンはエサウに、ささやいたかもしれません。おい、長子の権利なんて大したものじゃない。腹の足しにもなりゃしない。だから、そんなものは早くそれを売ってしまって、そしてあの煮物を食べてしまえ。そのような甘い誘惑に負けてしまい、結局長子の権利を売ってしまうことになりました。
神様は私たちに救いをくださいました。神様は私たちに祝福をくださいました。神様は私たちに溢れんばかりの恵みを与えてくださいました。それなのに、私たちがこのように、神様から受けて祝福を世の中のものに変えてしまい、なくしてしまったら、どれほど残念なことでしょうか。
私たちは神様が下さった祝福、神様が下さった恵みを知る必要があります。神様が下さった救いの驚くべき価値を知らなければなりません。そうすることで私たちに許された救いの権利、恵みの権利、祝福の権利を二束三文で売り飛ばすという愚かな過ちを犯さなずにすむのです。イエス様が私たちに下さった救いと祝福を信じ、感謝をささげながら、イエス様の導きに従って行くだけでいいのです。私たちが受けるべき敗北と、私たちが受けるべきのろいと、私たちが受けるべき裁きは、すでに2,000年もの前に、イエス様が十字架の上ですべて受けてくださいました。
私たちはイエス様が下さる勝利と、イエス様が下さる祝福と、イエス様が下さる救いに感謝を捧げ、イエス様の導きに喜んで従い、そしてイエス様が下さる、いのちの冠を受けられる皆様であらんことをお祈りします。

6.火に耐える信仰　→

←　4.立ち上がる時です

JesusChrist.jp

©2022 KIRIN MISSION All Rights reserved
kirinmission@gmail.com