洪(ホン)性弼 牧師
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使徒の働き16章22節～25節
22.群衆も二人に反対して立ったので、長官たちは、彼らの衣をはぎ取ってむちで打つように命じた。
23.そして何度もむちで打たせてから二人を牢に入れ、看守に厳重に見張るように命じた。
24.この命令を受けた看守は、二人を奥の牢に入れ、足には木の足かせをはめた。
25.真夜中ごろ、パウロとシラスは祈りつつ、神を賛美する歌を歌っていた。ほかの囚人たちはそれに聞き入っていた。

パウロたちが祈り場に行く途中、ある女奴隷に出会ったと言いますが、この女奴隷はただ者ではありませんでした。霊にとりつかれた占い師だったのです。そして、この女奴隷は自分にとりついている霊の力を利用して、自分の主人たちに多くの利益を得させていたということです。
そこで、パウロは、女奴隷についている霊に向かって言いました。「イエス。キリストの御名によって命じる。この女から出て行け。」すると、即座に霊が出ていきました。
問題はここからです。占い師から霊が出て行ったので女奴隷は普通の人間に戻ることができましたが、これに怒ったのは誰かというと、その悪霊の力によってお金を儲けていた女奴隷の主人たちです。彼らはパウロとシラスとを捕まえて役人たちに連れて行きました。悪霊の力を頼って財も築いたであろう彼らはそれなりの影響力も持っていたことでしょう。そんな人が連れてきたのだから本当の悪人だと勘違いをし、問答無用で服をはいでから、何度も鞭で打ち、そして牢屋に閉じ込めただけでなく、足に足かせを掛けて身動きが取れなくしたと聖書には書かれています。
この姿を想像してみましょう。服をはいだというのですから、ボロをまとっていたでしょうし、何度も鞭で打たれたと言いますから、あちこちが生傷だらけだったことでしょう。どれほど痛かったでしょうか。それに奥の牢屋に入れられたと書かれています。空気はよどみ、悪臭と汗臭さがたちこもっていたでしょう。その上、逃げられないように足かせまではめられたというのです。
何ともこの上ないほど、みじめな姿だったに違いありません。パウロとシラスは何を考えていたでしょうか。私がもしシラスだったらどうだったでしょう。もしかしたら、こんなことを言っていたかもしれません。
「パウロ先生、いくら神様のためだとしても、あんまりではありませんか。ひどすぎるでしょう。本当にイエス様が一緒におられるのでしょうか。」
人間的な視点からすると、それこそ愚痴や不満をこぼしても当然というようなありさまでした。しかし、聖書によると真夜中ごろ、パウロとシラスが神に祈りつつ讃美の歌をうたったと言います。皆さん、もどかしいですか。腹立たしいですか。嫌になりますか。自分の人生や運命が恨めしいですか。その時こそ祈りましょう。神様を讃美しましょう。
主は私たちの祈りを聞かれる神様です。私たちを見つめられる神様です。私たちの礼拝や讃美を受けられる神様です。
後悔するようなことがありますか？自分が今までイエス様を熱心に信じることができなかったと思えるのなら後悔しましょう。大丈夫です。まだ間に合います。もっと手遅れになる前に後悔する点があれば後悔し、悔い改める点があれば悔い改めましょう。天国の門の前に至ってから、あれをすればよかった、これをすればよかったと思うのではなく、それならば今やってしまいましょう。
そして、後悔や悔い改めで終わるのではなく、私たちの残った人生を通じて神様に祈りと讃美と礼拝をささげ、主の福音を誇りとし、私たちの生を終えるその日、イエス様から輝くいのちの冠をいただき、イエス様に感謝と栄光を捧げる皆様であらんことをお祈りします。

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