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聖書にはイエス様の涙について三度記されています。第一がラザロの死を前にして流された涙、第二はルカの福音書19章41節でエルサレムの滅亡を予言されながら涙を流します。そして、最後にへブル人への手紙5章7節では十字架にかけられる前日、ゲツセマネにおいて「大きな叫び声と涙とをもって祈りと願いをささげ」たと記されています。
この様に聖書にはイエス様の涙と嘆きに関する記述は三ヵ所もある一方、今日のメッセージのタイトルのように「イエスが喜び笑いになられた」という内容はどこにもありません。
イエス様がこの地に来られたのは楽しむためではありませんでした。イエス様が民に福音を宣べ伝えられたように、私たちも全世界に出て行き全ての造られた者に福音を宣べ伝えよとイエス様は言われ、からし種ほどの信仰があったらイエス様がおこなったような働きを私たちもできるとおっしゃいました。
しかし、たった一つ、イエス様がなされたことの中で最も大変なこと、十字架の上で私たちの罪のために死んでくださること、それによって私たちの全ての罪を解決してくださること、これだけはイエス様だけがなせる働きです。イエス様はまさにこのことのために来られたと言っても過言ではありません。
ですが、多くの民、ましてやイエス様と共に暮らした弟子たちでさえ、イエス様が何度もおっしゃっていたにもかかわらず十字架の本当の意味を知りませんでした。
十字架の上で、イエス様は弟子たちのみならず、父なる神様からも徹底的に見捨てられました。イエス様は徹底的な罪びととして十字架につけられました。イエス様には少しも罪がありません。全てが私たちの罪、私の一人一人の罪を背負われて徹底的に罪びととして十字架につけられたのです。
罪びとは徹底的に神様から見捨てられます。私たちの罪を背負われ徹底的な罪びとの姿として十字架につけられたので、神様からも徹底的に見捨てられたのです。
この様なすべての出来事、彼らに捕らわれたとき、全ての弟子たちが自分を見捨て、十字架の上では神様までもお見捨てになるであろうということをイエス様は知っておられました。イエス様がお笑いにならなかったのは、あるいは私たちの罪を背負われただけでなく、私たちの悲しみと苦悩、絶望までをも背負われたからかもしれません。
たとえこの地に来られた時にイエス様がお笑いにならなかったとしても、私たちは私たちの人生によってイエス様に喜びを捧げることはできるはずです。
イエス様と悪魔が同時に喜ぶということは決してあり得ません。イエス様を悲しませることを悪魔であるサタンはとても喜びます。
私たちの姿を見て誰かが笑いながら喜びます。しかし、その喜びは必ずイエス様のためのものでなくてはなりません。
私たちに残された生涯においてイエス様も驚かれるほど、私たちの人生によってイエス様に大きな喜びを捧げられる皆様であらんことをお祈りいたします。
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