洪(ホン)性弼 牧師
KirinMission.com
kirinmission@gmail.com

創世記　24章10節～27節
10.しもべは主人のらくだの中から十頭を連れて出かけた。主人のあらゆる良い品々をその手に携えていた。彼は立って、アラム・ナハライムのナホルの町へ行った。
11.彼は夕暮れ時、水を汲む女たちが出て来るころ、町の外の井戸のそばにらくだを伏させた。
12.そうして言った。「私の主人アブラハムの神、主よ。どうか今日、私のために取り計らい、私の主人アブラハムに恵みを施してください。
13.ご覧ください。私は泉のそばに立っています。この町の人々の娘たちが、水を汲みに出て来るでしょう。
14.私が娘に、『どうか、あなたの水がめを傾けて、私に飲ませてください』と言い、その娘が、『お飲みください。あなたのらくだにも水を飲ませましょう』と言ったなら、その娘こそ、あなたが、あなたのしもべイサクのために定めておられた人です。このことで、あなたが私の主人に恵みを施されたことを、私が知ることができますように。」
15.しもべがまだ言い終わらないうちに、見よ、リベカが水がめを肩に載せて出て来た。リベカはミルカの子ベトエルの娘で、ミルカはアブラハムの兄弟ナホルの妻であった。
16.この娘は非常に美しく、処女で、男が触れたことがなかった。彼女は泉に下りて行き、水がめを満たして上がって来た。
17.しもべは彼女の方に走って行って、言った。「どうか、あなたの水がめから、水を少し飲ませてください。」
18.すると彼女は、「どうぞ、お飲みください。ご主人様」と言って、すばやくその手に水がめを取り降ろし、彼に飲ませた。
19.水を飲ませ終わると、彼女は、「あなたのらくだにも、飲み終わるまで、水を汲みましょう」と言った。
20.彼女は急いで水がめの水を水ぶねにあけ、水を汲みに、再び井戸まで走って行き、すべてのらくだのために水を汲んだ。
21.この人は、主が自分の旅を成功させてくださったかどうかを知ろうと、黙って彼女を見つめていた。
22.らくだが水を飲み終わったとき、その人は、重さ一ベカの金の飾り輪と、彼女の腕のために、重さ十シェケルの二つの金の腕輪を取り、
23.尋ねた。「あなたは、どなたの娘さんですか。どうか私に言ってください。あなたの父上の家には、私どもが泊めていただける場所があるでしょうか。」
24.彼女は答えた。「私は、ミルカがナホルに産んだ子ベトエルの娘です。」
25.また言った。「藁も飼料も、私たちのところには、たくさんあります。それに、お泊まりになる場所も。」
26.その人は、ひざまずき、主を礼拝して、
27.こう言った。「私の主人アブラハムの神、主がほめたたえられますように。主は、私の主人に対する恵みとまことをお捨てになりませんでした。主は道中、この私を導いてくださいました。主人の兄弟の家にまで。」

アブラハムから命令を受けた忠実なしもべはカナンの地を出発し、ラクダ10頭を連れてアブラハムの故郷であるメソポタミアまでの遠い旅に出ます。到着してから彼らはイサクの花嫁になる人を探さなければなりません。しかし、アブラハムはそのしもべに、自分の故郷で花嫁を探すようにと言っただけで、探し方までは言ってくれませんでした。アブラハムの故郷であるメソポタミアのナホルに着き、ラクダを町の外の井戸のところに伏させておいてから、彼はまず初めにお祈りをしました。さすがアブラハムの忠実なるしもべです。しかし、その祈りの内容が興味深いです。当時、井戸に水を汲みに行くのは女性たちの仕事でしたが、自分がある少女にその水を飲ませてくれと頼むというのです。そして、自分だけではなく、自分が連れてきたラクダにまで水を飲ませて差し上げますと言えば、その少女が神様の定めた花嫁だとわかるというお祈りでした。
丁度その時、一人の少女が目に入ってきます。まず、人間が先ですから、そのアブラハムのしもべに水を上げました。そして、しもべは何も言わなかったにもかかわらず、このしもべがお祈りをした通りに、ラクダたちにも水を飲ませると言って支度をはじめます。聖書には、その少女リベカがしもべに水をあげるとき「すばやく」、そしてラクダに水をあげるときも「急いで」とあり、両方とも急いで支度をしたということがわかります。どうして、リベカはこのように急いだのでしょうか。それは、相手の気持ちを察することができる人柄だったからだと言えるでしょう。「ある人が自分に水を頼むとしたら、さぞ喉が渇いているだろう」と相手の気持ちになって考えることができたからこそ、このように急いで支度をしたと考えられます。
そして当時、長旅の際には必ずラクダを連れて行きました。それは、水を体の中にため込んでおくことができ、長時間、水を飲まなくても耐えることができたからでした。ですが、一度、水を飲み始めると、約120㍑～200㍑まで飲み干してしまうそうです。その時、このしもべが連れてきたラクダは10頭でした。リベカが水を汲んできます。急いで井戸まで行って水を汲んできては、またすばやく井戸の方に戻っていきます。このようはことを彼女は何度も何度も繰り返したに違いありません。リベカがこのような大変な思いをしているとき、このアブラハムの忠実なるしもべは、その働く姿を黙って見つめていたと聖書には書かれています。では、どうしてこのしもべは、手伝いもせず、ただ黙って見ていたのでしょうか。それは「リベカに与える祝福」があったからです。このしもべから見て、リベカがこの任務を最後まで終えられるのか否かは大きな分岐点でした。その任務を終えることができれば、彼女は栄光なるアブラハムの系図、神様の独り子であられるイエス・キリストの系図、信仰の系図に入るという大いなる祝福を受けるであろうし、もし、その任務を途中であきらめるなら、彼女はその祝福と何のかかわりのない者になってしまうからです。もし、リベカが黙って見つめるアブラハムのしもべの前で10頭のラクダのうち7頭に水をあげただけであきらめていたら、8頭、いや、9頭に水をあげただけであきらめていたとしたら、彼女がその祝福を受けることはできなかったはずです。
神様が黙っておられますか。黙って見つめておられるだけですか。喜びましょう。神様の大きな祝福が待っています。今を耐え忍ぶことにより神様の大いなる祝福、イエス様が下さる素晴らしい祝福を受ける皆様であらんことをお祈りいたします。

11.空家　→

←　9.主にあって喜び勇む人生

JesusChrist.jp

©2022  KIRIN MISSION  All Rights reserved
kirinmission@gmail.com